
Amazonのスマートスピーカーラインナップにおいて、不動の人気を誇る「Echo Dot」。その最大の魅力は「手軽にどこにでも置けるサイズ感」でしたが、一方で本格的な音楽鑑賞や、より高度なスマートホーム拡張性を求めるユーザーからは、上位モデルとの間を埋める存在が熱望されてきました。
今回登場した「Echo Dot Max」は、その期待に真っ向から応える、まさに「Dotシリーズの完成形」です。コンパクトなDNAはそのままに、内部構造を基礎から設計し直し、フラッグシップモデルの技術を惜しみなく投入。もはや「入門機」という枠組みを完全に超越した、プレミアムな一台に仕上がっています。
コンパクトな外観からは想像もつかない2wayスピーカー構造による圧倒的な音圧と、独立したアンプがもたらす緻密な表現力があります。
これまでの「手軽な入門機」という枠組みを破壊し、デスク上の最小スペースでハイエンドオーディオに匹敵するリスニング体験を提供する、新たなスタンダードを提示する一台です。
Echo Dot 第5世代とスペックを比較してみると次の通り。サイズ感はMaxではなくコンパクトに収まっているのに、スペックがしっかり向上しています。
Echo Dot Max | Echo Dot (第5世代) | |
|---|---|---|
価格 | ¥12,980 | ¥7,480 |
カラー | チャコール / ホワイト / ネイビー | ホワイト、ブルー、ラベンダー |
サイズ | 110 × 110 × 105 mm | 100 × 100 × 89 mm |
重さ | 485g | 304g |
ドライバー構成 | 2.5インチ ウーファー + ツイーター | 1.73インチ フルレンジ |
スマートハブ | Matter / Zigbee / Thread 対応 | Matter / Zigbee 対応 |
従来のEcho Dotは一つのスピーカーで全ての音域を鳴らすため、どうしても音が「団子」になりがちでした。
「Echo Dot Max」はこれを打破し、高音専用のツイーターと、前モデル比1.5倍の表面積を持つ2.5インチウーファーを搭載。さらに、それぞれを専用のアンプで駆動する「バイアンプ方式」を採用しました。
これにより、ハイレゾ音源の繊細なギターの爪弾きから、映画の爆発音まで、歪みのない分離感で再現します。
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「デスクワーク中に突然電気が消えた」——。そんなスマートホームの弱点を、「Echo Dot Max」に搭載されたミリ波レーダーが解決します。
このセンサーは数ミリ単位の動き、さらには「人の呼吸に伴うわずかな胸の動き」まで捉えます。これにより、「部屋に誰かがいる限りは照明を点け続け、完全に退出した時だけ消灯する」という、ストレスのない完璧なオートメーションが実現しました。
最新規格のMatter、従来から普及しているZigbee、そして省電力・高レスポンスなThread。これら3つの主要規格をすべて本体に内蔵しています。
これにより、別売りのブリッジやハブを購入することなく、SwitchBotやフィリップスHueなどの最新デバイスを直接Alexaに登録可能。スマートホームの導入コストと管理の手間を劇的に下げてくれます。
Matter, Zigbeeに関する詳しい解説は以下からどうぞ。
箱から取り出した瞬間、まずその「密度」に驚きました。見た目は第5世代と似ていますが、重さは1.5倍以上。この重量感が、音を鳴らした際の安定感に直結しています。
表面のファブリック素材は、再生プラスチックを50%以上使用しながらも、高級なソファのような滑らかな手触り。底面のゴム足もしっかりしており、多少の傾斜がある場所でもびくともしません。
110mmというサイズは、27インチのPCモニターの下に置いても画面を隠さず、かつ「音響機器としての風格」をしっかり漂わせてくれる絶妙なラインです。
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最新のAZ2チップの恩恵は、毎日使っていると「快感」に変わります。これまでは「アレクサ……(1秒待つ)……電気を消して」という間がありましたが、「Echo Dot Max」は早口で「アレクサ電気消して」と言い切る瞬間に、もう照明が反応しています。
また、天面の物理ボタンは、タッチセンサーではなく「カチッ」としっかり押し込めるタイプ。手が濡れているキッチンや、暗い寝室で手探り操作をする際も、誤操作が全くありません。
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一聴して「本当にDotか?」と耳を疑いました。これまでのDotがラジオ放送のように聞こえるほど、「Echo Dot Max」の音は豊かです。特に低音。ヒップホップやEDMを流すと、空気が震えるのが肌で分かります。それでいて、独立したツイーターのおかげで、ボーカルのサ行が刺さることなく非常にクリア。
ポッドキャストを聴いても、話し手の声が目の前で喋っているかのように浮き立ちます。驚いたのは、1台でも「部屋のどこにいても音が均一に届く」こと。壁の反射を計算に入れたような広がりがあり、BGMとして流していても耳が疲れません。
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スピーカーを2つ並べるスペースはないけれど、妥協のない音で仕事中のBGMやYouTubeを楽しみたい方に最適です。このサイズでこの解像度は、デスクワーカーにとっての最適解と言えます。
「動いていないと電気が消える」という従来の不満を、ミリ波レーダーが完全に払拭してくれます。スマートホームの「おバカさ」に嫌気がさしていた人にこそ、この精度を体感してほしいです。
「動いていないと電気が消える」という従来の不満を、ミリ波レーダーが完全に払拭してくれます。スマートホームの「おバカさ」に嫌気がさしていた人にこそ、この精度を体感してほしいです。
第3世代や第4世代からの買い替えであれば、その音の厚みの差に衝撃を受けるはずです。今まで聴こえていなかったベースのラインや楽器の余韻がはっきりと耳に届くようになります。
「Echo Dot Max」は、コンパクトなサイズの中に、Amazonが持つ音響とAIの技術を限界まで詰め込んだ野心作です。これまで「安価な入門機」だったDotを、自慢したくなる「メインガジェット」へと進化させたこのモデルは、2024年以降のスマートスピーカー選びにおいて、間違いなく筆頭候補になるでしょう。
全くそんなことはありません。むしろ、これ一台でメインの音楽再生機とスマートホームハブを兼ねられるため、狭い部屋こそ「多機能を一つに集約できる」メリットが大きいです。
残念ながら、ステレオペアは同一機種同士でしか組めません。しかし、「Echo Dot Max」を2台揃えた時の音場は、4〜5万円クラスのスピーカーにも引けを取らない満足度があります。
カメラとは異なり、あくまで「動体の有無」を電波で検知するだけなので、個人の特定や映像の記録は行われません。寝室でも安心して使用できます。