TOP> 【PLAUD NotePinレビュー】記録と要約を効率化するAIボイスレコーダー
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2025-02-21ChatGPTやClaude、Geminiといった生成AIが次々と誕生し、ビジネスマンの業務を効率化するために身近なデバイスに組み込まれはじめています。特に仕事においては、聞いた内容を記録し、文書化し、要約するという作業は人が行うよりもAIが処理した方が精度もスピードも桁違いの成果を生み出せる領域です。
今回は、そのような業務から解放され、本業に注力するためのガジェットである「PLAUD NotePin」の紹介です。いつでもどこでもワンタッチで会話の録音、文字化、要約が行えるので、一度体験すると間違いなく肌身離さず持ち歩いてしまうでしょう。
価格(2025年1月時点) | ¥28,600 |
---|---|
カラーバリエーション | シルバー / グレー / パープル |
サイズ | 51 × 21 × 14 mm |
重さ | 約25g |
本体ストレージ | 64GB |
最長連続録音時間 | 20時間 |
待機バッテリー期間 | 40日 |
対応可能言語 | 112ヶ国語 |
搭載AI | GPT-4o / Claude 3.5 Sonnet |
専用アプリ | ○ |
ワンタッチ録音 | ○ |
通話録音 | × |
アメリカのAIボイスレコーダーメーカーであるNicebuild LLC社が2024年12月に発売したポータブル型のウェアラブルAIボイスレコーダーです。日本では2024年の秋頃から様々なSNSで広告発信をしていたので、記憶に残っている方もいるかもしれません。
かなりパワフルな仕様で、フル充電すれば20時間連続の録音が可能です。重要な会議や顧客との商談等、主にビジネスシーンを想定した設計になっています。
上記の表の通り、「PLAUD NotePin」は手のひらに収まる超小型サイズです。重さも約25gと超軽量で身につけていることを忘れてしまうレベルです。
身につけ方にもバリエーションがあり、リストバンドやストラップ、クリップ、ピンをそれぞれ選択可能です。服装や利用シーンに溶け込むように自然に活用できるため、どんな時でも会話を逃さず記録することが可能です。
収音性が非常に高く、Whisper(OpenAIの文字起こし機能)の高度なアルゴリズムの活用と相まって、録音内容を正確に文字起こしします。
また、効率的な要約機能を活用した20以上の豊富な要約テンプレートで、メモを取る作業から要約のまとめ上げまでわずかな時間であっという間に完成させることが可能です。
上記の作業はスマホでの録音や、音声データを別ツールにアップしての文字起こし、要約というステップでも実現できますが、作業効率や時間の節約に重点を置く人にとっては「ひとつで全部完結してほしい」という要望が強いと思います。それらを全てボタンをワンタッチするだけで解決できるので、非常に画期的です。
内蔵されているAIが用途に応じて様々なアクションを起こします。以下に箇条書きで記載します。
まるで、常にAIアシスタントがサポートをしてくれる感覚になるため、わずらわしい事務作業を極限まで減らし、本来注力したいことに時間をたくさん使うことが可能になります。
というわけで実際に手に入れてしばらく使ってみました。2025年1月時点では、本来別売りである各種アクセサリーが付属してくる超お得状態です。
まず本体ケースですが、中身は本体の他、USB-Cケーブルと充電ポート、説明書という内容です。とてもシンプルですね。ちなみに、本体の裏はマグネットピンになっており、この状態でも服に挟み込むようにすれば装着可能です。
続いて付属品ケースです。リストバンドとストラップ、クリップが入っています。
クリップをつけるとこんな感じです。普段、スーツで仕事をする方はこれが一番良いかもしれません。
こちらはリストバンドです。ベルトの色が黒だったらもっと嬉しかったので、今後の色展開に期待です。普段、時計をする方はこの方法での装着はあまりしないかもしれません。
文字起こし以降の作業は専用のスマホアプリで行うため、今回は一部の画面を貼り付けながら紹介していきます。
まず、録音は非常に簡単で、本体中央部を長押しするだけで録音を開始します。
次に文字起こしですが、使うテンプレートや録音言語、AIモデル等を選択します。AIモデルはGPT-4oとClaude 3.5 Sonnetの二択で、好みに応じて使い分けが可能です。もちろん、これらのデータはAIに学習されませんし、内容は全て暗号化され、世界的に有名なクラウドサービス上で管理されるため、セキュリティー体制も万全です。
ここまでセットすると文字起こしが開始されます。録音時間によりますが、1時間くらいの音声データも2〜3分で完了します。文字起こしは特定の話者ごとに文章が区切られ、タップするとそこから音声を再生することが可能です。
文字起こしの完了と同時に要約文とマインドマップも完成します。要約文に関してはASK AIという機能があり、概要文から必要な情報を検索や管理が可能となります。
また、概要機能というものも存在しており、文字起こし前に録音データをAI解析できるので、1日中録音していても、いつどんな会話をしたかを確認でき、重要なセグメントだけを抽出することができます。
個人的な体感ですが、以下2つの恩恵があったと感じています。
1つ目に関しては聞きながらメモを取ると必ず注意力が散漫になり、大事なことを聞き漏らしたり忘れたりすることがあるので、これを使うことで話により集中できるようになりました。
2つ目に関しては、この手の事務作業は意外と時間を食うのですが、それがワンタッチで完成し、微調整するだけで済むようになったので、時間の節約に貢献しているなと感じています。
これも個人的な体感ですが、以下2つの改善点はあるなと感じています。
1つ目に関しては人数が多すぎたり、話者との距離が遠い場合、文字起こし時に行われる話者ごとの文章区切りが混同してしまうという事象です。これは相手がオンライン上に複数人いる場合にも起こりやすいです。
2つ目はAIの学習機能がオフであることの裏返しでもあるのですが、最近出ているGPTsのようなオリジナルチャットボットの生成ができないという事象です。この部分はカスタムテンプレートで対応してほしいという声がメーカーから聞こえてきそうです。
「PLAUD NotePin」とPCを同期すれば、スマホアプリ上のデータとWeb版アプリが常に連携するため、作業スピードが格段に上がります。音声の編集や文字起こし上の誤字編集、AIチャットとの会話ラリー等、PCで行う方が効率的な作業もあるためとてもありがたいです。
外出先でPCが使えない場合は本体とスマホアプリでサクッと操作し、オフィス内にいる時はWeb版できっちりと作業をするイメージです。
この手の商品あるあるですが、課金することで解放される機能が増えます。PLUAD NotePinの場合、機能面に差はあるのですが、一番の違いは文字起こし可能な月当たりの時間です。下記に文字起こし可能時間を含む、各プランの違いを記載します。
Starterプラン | Proプラン | Unlimitedプラン | |
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料金 | 無料 | 年間12,000円 | 年間40,000円 |
月間文字起こし時間 | 300分 | 1200分 | 無制限 |
テンプレート数 | 20 | 30 | 30 |
カスタムテンプレート | × | ○ | ○ |
概要分析 | ○ | ○ | ○ |
業界用語集 | × | × | ○ |
文字起こし後のAIチャット | × | ○ | ○ |
Starterプランの場合、テンプレート数が10個減るのですが、この10個は特定の業界、業種専用のものなので、関係ない方にとっては問題ではありません。AIチャットが使えないのが痛手ですが、その他の機能も無いことによるデメリットは少ないです。
しかし、文字起こし可能時間の差は見過ごせません。Starterプランの場合、1時間のMTGを5回文字起こしするとすぐに終了するため、日々の仕事に使う場合はかなり物足りないです。一応、時間の枠だけを購入することも可能なのですが、これもちょっと微妙です。
個人的におすすめなのは、まずStarterプランを2ヶ月使い、1ヶ月あたりの利用頻度を計測することです。その結果、600分までの時間を1回購入したりしなかったりであればStarterプランのままで良いと思います。
一方で頻繁に購入する、またはそれでも足りないという場合はProプランに課金すれば十分足りると考えられます。
以上のような特徴を持った「PLAUD NotePin」ですが、個人的にはこんな人におすすめと言えます。
今回は最新のAIボイスレコーダーである「PLAUD NotePin」を紹介しました。
使ってみての全体の感想ですが、記録や要約、分析等の作業はどんなに頑張っても人間がAIに勝つことはないので、うまく分業することで日々の業務や時間を効率化させる典型的な例になると感じました。
今後もどんどん発売されるであろうAI搭載型ガジェットの先駆けとして、是非手に取っていただき、日々の業務パフォーマンスを向上させていきましょう。