ワイヤレスイヤホン
2024-12-29骨伝導イヤホンが世に普及し、街中でも装着している方をよく見かけるようになってきました。引き続き、物珍しさがあるアイテムであるため、購入を検討する際に「そもそもどんな仕組みで聴こえるのか?」「使用上の危険性はないのか?」と考える方も多いと思います。
今回は、骨伝導イヤホンの仕組みや危険性を紹介してみます。結論、仕組みは単純ですし、身構える必要も全くないので、この記事で不安を払拭してもらえると嬉しいです。
前提として、人が音を感じる仕組みは二通りあります。
骨伝導イヤホンは、この骨導音の仕組みを利用し、振動を内耳の耳小骨に直接送信します。この小さな骨が振動すると、音として解釈される信号が脳に送信され、鼓膜に依存することなく音が聴こえる仕組みです。
普段から体験しているというタイトルですが、食事中の咀嚼音はまさに骨導音の原理で聴こえてくる音です。そのほか、自分の耳穴を塞いでも自分の声がよく聴こえるというのも、骨導音の原理によるものです。実は骨伝導という機能そのものはすでに全ての人が体験済みといえます。
骨伝導イヤホンは耳穴を塞がず、頬骨辺りにスピーカーを引っ掛けるタイプが多いです。これはランニングやウォーキングのような運動に集中している際でも周囲で何が起こっているか聞くことができるので、安全性を高めてくれます。
耳穴を塞ぐ従来のイヤホンだと汗や皮脂が溜まってしまい、耳垢の元になってしまうことが多いです。また、長時間の装着により外耳炎になるリスクも高まります。
骨伝導イヤホンの場合は耳穴を塞がないため、これらのリスクは一切発生しないですし、予防にも繋がります。
仕組みを理解したところで、骨伝導イヤホンに対してどんな危険性が指摘されているのかをみていきます。いくつかのキーワードで調べてみると、以下の危険性を指摘されていることが多いです。
これらに関して掘り下げてみていきます。
イヤホンによる耳への不快感は、主に「外部圧迫型頭痛」と呼ばれる、耳穴を長時間塞ぐことやイヤホン装着による耳穴の締め付けによって起こるものです。従来のイヤホンではこのリスクが一定程度ありますが、そもそも耳穴を塞がない骨伝導イヤホンはこのリスクがないため、気にする必要はないと思います。
ただし、骨伝導イヤホンは骨に振動を送るため、慣れるまではこの振動がくすぐったいと感じるかもしれません。
そもそもイヤホンによる難聴の原因は大音量で長時間聴き続けることにあるため、どのイヤホンでも一定のリスクが付きまといます。その中でも骨伝導イヤホンは、耳穴の入り口を刺激するデザインで音の繊細性をかなり改善してくれるため、小さい音量でも効率的に音が聴こえるようになっています。これは必要以上に音量を上げなくてもちゃんと聴こえることを意味しています。
また、骨伝導イヤホンはその仕組み上、聴覚機関をあまり使わないため、鼓膜へのダメージを防ぐことにも貢献しています。
骨伝導による頬骨への振動が脳にダメージを与えることを指摘している問題ですが、骨伝導イヤホンの振動は本当に微弱なものなので影響はありません。
実際にMingduo Zhao、Anders Fridberger、Stefan Stenfeltが実施した調査でも骨伝導の周波数は聴覚に影響を与えるが、脳にダメージを与えるほど強くないことがわかっています。
今回は骨伝導イヤホンの仕組みと危険性に関する紹介をしました。仕組みを理解すれば、本当に危険なのかどうかが理解しやすいですし、そもそも危険なものが世の中に合法的に出回ることはないので、しっかりと本質を見抜いて使っていきましょう。
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