高品質なオーディオ製品を手頃な価格で提供することを強みとし、ワイヤレスイヤホン市場で急速に注目を集めているEarFunですが、2025年7月25日にブランドとして初のイヤーカフ型のイヤホンである「EarFun Clip」を発売しました。僕はこれまでも「EarFun OpenJump」や「EarFun Pro 4」を購入し、お値段以上の高品質な体験をしてきたので、今回のEarFun Clipもすごく気になっているところです。
今回は、実際にEarFun Clipを手に入れて約2週間ほど使用してみたので、製品のレビューをしていきます。今回も「え、これで1万円以下なの!?」と思える完成度の高い製品でしたので、気になる方は購入を検討してみてください。
プリセットされているイコライザーの種類が非常に多いため、これ1台で「ゲーム」「動画視聴」「音楽鑑賞」の全てに対応することが可能です。さらに、EarFun独自の技術でユーザーの聞こえ方に最適なイコライザー調整を自動で行う機能も備わっています。これを1万円未満でやってのけるのは正直すごすぎます。
価格(2025年8月時点) | ¥7,990 |
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カラーバリエーション | シルバーグレー / ホワイト |
サイズ | 66 × 48.3 × 28 mm |
重さ | 49.2g(充電ケース込み)、5.7g (片耳イヤホン) |
ノイズキャンセリング | 無 |
対応コーデック | LDAC、SBC、AAC |
再生可能時間 | LDACオフ:最大10時間、ケース込み40時間 LDACオン:最大5.5時間、ケース込み22時間 |
ドライバー | 10.8mmカーボンファイバードーム振動板ドライバー |
充電時間 | 10分の充電で約2.5時間再生可能 |
防水 | ◯(IP55防塵防水) |
ワイヤレス充電 | × |
EarFun Clipはハードウェアとソフトウェアの両面から、高音質化へのこだわりを追求しています。
ハイレゾ相当の高音質再生が可能なLDACコーデックに対応しており、対応デバイスと組み合わせることで、ワイヤレスながらクリアで解像度の高いサウンドを楽しめます。
10.8mm口径のカーボンファイバー複合振動板採用ダイナミックドライバーを搭載しています。音の出力位置も耳穴に近くなるよう設計されており、「ながら聴き」でも音質に妥協しないという開発姿勢がうかがえます。
ドライバーユニットの設計を最適化することで、物理的な振動を耳全体に伝え、低音の迫力を向上させる技術です。これにより、イヤーカフ型でもパワフルな低音を楽しめるようになっています。
タッチ式と比べて誤操作を減らし、音量調整や再生停止などの操作を確実に行うことができ、どんなシーンでも簡単にコントロールすることができます。
イヤーカフ型イヤホンは形状の都合から物理ボタンが搭載しにくいのですが、EarFun Clipはドライバーが横長な形状をしているため、搭載できる余地があったのかもしれません。
専用アプリからの操作や本体そのものの機能等、ユーザーの利便性向上を追求した機能が揃っています。代表的なものをいくつか紹介します。
ワンタッチで周囲環境に応じた音量へ瞬時に切り替えることができ、図書館やオフィス、電車内のような静かな空間に瞬時に対応させることが可能です。オープンイヤー型イヤホンは他のイヤホンよりも音漏れの心配があるのですが、この機能で解決可能です。
低遅延モードを搭載しており、音の遅延をわずか0.05秒まで抑えることが可能です 。カジュアルなゲームプレイや動画鑑賞において重宝しそうです。
映画やアニメ、ゲームのサウンドを楽しむ際に最適なイコライザー設定を提供し、臨場感あふれるサウンドを実現します 。音の劣化や違和感が少なく、まるで自分だけに聞こえるスピーカーのような没入感を味わえる点が特徴です。
Androidユーザー限定になってしまいますが、EarFun Clipをスマホに近づけるだけで画面上にポップが表示されるため、タップするだけで簡単に接続することが可能です。
Find Hub機能にも対応しているため、万が一紛失したとしても、どこに落ちているのかを瞬時に確認することも可能です。
というわけで実物を公開していきます。ケースは黒基調のシックな感じでとてもかっこいいです。EarFunシリーズのケースはこれで統一してそうですね。底面には充電部分と
ケースをあけると本体の登場です。ケースに記載がありますが、EarFun Clipは左右が決まっています。ケースにも表記がありますが、本体で見分ける際はスピーカーとクリップの接続部分の色をみます。シルバーが左で赤が右です。
本体を取り出してみました。見た目はまるで小さなヘッドホンですね。物理ボタンはアプリ内で左右個別にアクションを設定することが可能なので、自分が覚えやすいコマンドを入れられるのがグッドポイントです。
装着した感じです。スピーカーは球体部分のやや上についているため、写真のようにドライバーをやや下に傾けるように装着すると音がよく聞こえます。
クリップ部分は形状記憶するので、落ちるのが不安な方はちょっとつまんで隙間を狭めるといい感じになります。僕も若干狭めて使っているのですが、落ちるどころかズレもしないのでとても良いです。
他のEarFunシリーズと共通ですが、プリセットのイコライザーが22種類あるため、自分好みの音に手軽に切り替えることが可能です。
他のイヤホンのイコライザーは大体が高音、中音、低音のどれかを際立てるプリセットしかないのですが、これは曲のジャンルごとに用意されているため、普段よく聞く曲に適したイコライザーが絶対にあります。高性能なドライバーがついているので、この機能は絶対に使うべきです。ちなみに僕はロックとジャズをヘビーローテーションしてます(笑)
また、休憩用の音として20種類以上のホワイトノイズがあります。イヤホンのイコライザーアプリでこれがあるのはかなり珍しいです。海の音や風の音、雨の音等、いろんな音を試しましたが、個人的に気持ちよかったのは文字を書く音でした。鉛筆で字を書くときのあの音、めちゃくちゃ良いです。
ステレオサウンドよりも若干音がこもりますが、上下左右に音が広がり、臨場感が増します。変なシャリつきもないので違和感もありません。
流石にDolby Atmosみたいな音の強弱による追従(移動の時に段々と音が近づいたり離れたり)までは無理ですが、1万円以下でここまでやれるのであれば十分です。
ちなみに僕は、電車移動時のYoutubeとかTikTok鑑賞でこの機能を使っています。移動中でも高品質な音声体験ができることに感動しています。
普通のイヤホンだと当たり前なので気にならないのですが、イヤーカフ型イヤホンは耳に挟む仕様上、形状がほぼ一緒です。それゆえに、ケースから取り出す時に左右を間違えたり、しまう時にうまく入らなかったりするのが手間になるのが残念なところです。
例えば、Shokzが最近出した「Shokz OpenDots One」というモデルは左右共通モデルのため、この煩わしさがありません。気になる人は以下の記事をチェックしてみてください。音質も最高レベルです。
Shokz OpenDots ONEレビュー|軽量で高音質なイヤーカフ型の注目株
とはいえ、1万円以下のモデルであれもこれもというのは難しいので、これは「強いてネガティブポイントを挙げるならば」というレベルです。ほとんどの人が気にしない事だと思っています。
EarFun Clip一択と言っても過言ではありません。1万円以下でここまでの機能を持っているイヤーカフ型イヤホンは存在しないと思います。特にイコライザー機能は秀逸で、音質にこだわりたい方と、いろんな音を試したい方の両方のニーズを満たしてくれます。
LDACを活用するのがこのイヤホン最大のメリットです。1万円以下で高品質な音声体験ができるイヤホンはこれしかないため、要チェックです。
特に趣味で高価格帯のイヤホンを使っている方は破損や紛失が怖いと思います。仕事での活用や持ち運び用でEarFun Clipを活用すれば、音質が若干劣りますが、その他の機能面で満足のいく音声体験が得られます。
ちなみに、2個目のワイヤレスイヤホンを検討する場合は、他のEarFunシリーズもオススメです。詳細は下記の記事をチェックしてみてください。
今回は「EarFun Clip」のレビューをしてきました。最近では「ながら聴き」のニーズの高まりと共にイヤーカフ型イヤホンが急速に普及しており、「とりあえず使ってみたい」と考えている人も多いと思います。
特にこだわりがない方はEarFun Clipで十分な音声体験を得ることができますので、是非検討してみてください。