今回はオープンイヤー型イヤホンの中でも特に革新的な「イヤーカフ型」イヤホンに焦点を当て、本体構造やメリットとデメリット、主要モデルの詳細な比較を紹介します。 製品紹介たけに留まらず、各製品が持つ特徴や、実際のユーザー体験に対する影響を深く掘り下げ、ニーズに合う最適な一台を選べるようにするための記事にしています。
耳の軟骨に直接挟み込んで固定するという独自の装着方式を持つのがイヤーカフ型イヤホンの大きな特徴です。この構造は耳の穴を密閉するカナル型イヤホンや、頭部を締め付ける骨伝導型とは異なり、耳への圧迫感の最小化と耳のフィット感の安定化を同時に実現することに一役買っています。
近年では安全性、快適性、周囲とのつながりを重視する新しいリスニングスタイルが台頭し、オープンイヤー型イヤホンの需要が高まっています。その一種であるイヤーカフ型イヤホンの需要も高まっており、骨伝導技術で業界を牽引してきたShokzをはじめ、多くのメーカーが参入しはじめています。
イヤーカフ型イヤホンは、その独自の構造から従来のイヤホンにはない数多くのメリットがありますが、同時にいくつかのデメリットも存在してます。
圧倒的な安定性
イヤーカフ型イヤホンは耳の軟骨にしっかりと挟み込むため、ジョギングや激しい動きを伴うアクティビティでも「落ちにくい」という高い安定性を実現しています。カナル型イヤホンが振動で外れかけたり、意図せずセンサーに触れて再生が止まったりする不満点を、イヤーカフ型は物理的に解消しています。
衛生的な快適性
耳の穴を塞がない構造は、長時間使用しても汗で耳の中が「蒸れる」ことがなく、かゆみや不快感を軽減することが可能です。
また、カナル型イヤホンで問題となる耳垢の付着の心配もありません 。これは、ユーザーが従来のイヤホンで感じていた構造的な問題を解決できるものでもあります。
安全性と利便性の両立
周囲の音を遮断しないため、屋外での利用時でも車の接近や呼びかけに気づきやすく、安全性が確保されます。
また、仕事中や家事をしながらでも、イヤホンを外すことなく会話に応じることができ、「ながら聴き」の真価を発揮することもできます。
音質のトレードオフ
耳からわずかに離れた位置で音を鳴らすため、音が遠く感じられたり、周囲が騒がしい環境では音楽がほとんど聞こえなくなることがあります 。
また、密閉構造ではないため音が拡散しやすく、「音漏れしやすい」という弱点を持ちます。この構造的な特性により、特に低音域の再現性が低下する傾向があり、迫力ある重低音を好むユーザーには物足りなさを感じさせることがあります。
技術的な課題への取り組み
イヤーカフ型イヤホン最大の強みである「外音取り込み」が、そのまま「騒音下での聴き取りにくさ」という弱点に繋がっています。
しかし、メーカー各社はこの課題を克服するために独自の技術を投入しています。例えば、Anker Soundcore AeroClip 8やBose Ultra Open Earbuds 10は、独自の音響技術で低音を強化し、オープンイヤー型の音質的な限界に挑戦しています。
選ぶポイントを押さえておけば、用途にぴったりの製品を見つけられます。以下の5つの基準を参考にしてみてください。
イヤーカフ型イヤホンは、カナル型イヤホンのようにイヤーピースでフィット感を調整することができません。そのため、製品の形状と個人の耳の形との相性が、購入後の満足度を大きく左右します。フィット感が悪いと、長時間使用時の耳の痛みや不快感が増すだけでなく、イヤホンがずれやすくなり、本来の音質性能が発揮できず、音漏れも増加する可能性があります。
店舗での試着やオンラインでのレビュー確認を駆使し、自分に一番フィットするプロダクトを探すのが一番です。
オープンイヤー型の音質は、耳を密閉しない構造上、音の広がりや抜け感に優れる反面、低音の迫力は控えめになる傾向があります 。
しかし、近年ではこの弱点を克服するための技術が進化しています。Shokzの「OpenDots ONE」は独自のBassphere™テクノロジーにより、力強い低音を実現しています。
また、Anker Soundcore AeroClipは、ハイレゾ対応のLDACコーデックに対応しており、このジャンルでも高解像度なサウンドを楽しむことができます。
製品選びでは、音質や装着感だけでなく、利便性を高める機能も重要な選定基準となります。
マルチポイント接続
PCとスマートフォンの両方に接続し、シームレスに切り替えができる機能です。特にビジネスやリモートワークでの利用に役立ちます。HUAWEI FreeClip 14やShokz OpenDots ONEなど、多くのモデルがこの機能に対応しています。
防水・防塵性能
スポーツや屋外での利用を想定する場合、IPX4やIPX5といった防水・防塵規格の確認が不可欠です 。Victor HA-NP1T 18やAnker Soundcore AeroClip 9はIPX4、SoundPEATS CCはIPX5の防水性能を備えています。
バッテリー性能
「ながら聴き」で長時間使用することが多いため、イヤホン単体での連続再生時間と、充電ケースを含めた総再生時間の両方を確認することが重要です。
耳を塞がない構造上、イヤーカフ型イヤホンは音が外部に漏れやすいという特性があります。公共の場所で利用する際は、周囲への配慮が不可欠です。
イヤーカフ型イヤホンに限りませんが、ガジェット選び共通の重要指標としてバッテリーの持続時間は意識すべき項目です。メーカーによりますが、近年では長時間稼働するイヤホンが主流だと感じております。これはスマホによる動画、映画鑑賞の時間が長くなっているのが影響していると考えています。
製品名 | 価格帯 (税込) | 重量 | 連続再生時間(イヤホン / ケース | コーデック | 防水性能 |
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Shokz OpenDots ONE | ¥27,880 | 6.5g | 10時間 / 40時間 | メーカー未公表 | IP54 |
HUAWEI FreeClip | ¥23,800 | 5.6g | 8時間 / 36時間 | SBC, AAC, L2H | IP54 |
Victor HA-NP1T | ¥19,800 or ¥22,000 ※色の違いです。 | 4.9g | 8時間 / 24時間 | SBC, AAC | IPX4 |
Anker Soundcore AeroClip | ¥17,990 | 5.9g | 8時間 / 32時間 | SBC, AAC, LDAC | IPX |
Anker Soundcore C40i | ¥12,990 | 5.8g | 7時間 / 21時間 | SBC, AAC | IPX4 |
Bose Ultra Open Earbuds | ¥39,600 | 6.5g | 7時間 / 19.5時間 | SBC, AAC, aptX Adaptive | IPX4 |
SoundPEATS CC | ¥7,580 | 5g | 6時間 / 24時間 | AAC, SBC | IPX5 |
EarFun Clip | ¥7,990 | 5.7g | 10時間 / 40時間 | LDAC、SBC、AAC | IP55 |
価格(2025年9月時点) | ¥27,880 |
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カラーバリエーション | ブラック / グレー |
サイズ(充電ケース) | 63.7mm × 49.5mm × 27.1mm |
重さ | イヤホン:約6.5g、ケース:約39g |
最速充電時間 | 10分間の充電で最長2時間再生可能 |
ノイズキャンセリング | なし |
ワイヤレス充電 | あり |
専用アプリ | あり |
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価格(2025年9月時点) | ¥23,800 |
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カラーバリエーション | ブラック / パープル / ベージュ / ローズゴールド |
サイズ(充電ケース) | 59.7mm × 51.9mm × 27.3mm |
重さ | イヤホン:約5.6g、ケース:約45.5g |
最速充電時間 | 10分間の充電で最長3時間再生可能 |
ノイズキャンセリング | なし |
ワイヤレス充電 | あり |
専用アプリ | あり |
価格(2025年9月時点) | ¥19,800、又は¥22,000 ※色の違いです。 |
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カラーバリエーション | ティールブルー / コールブラック / アイスグレー / マルーン / オフホワイト / エターナルブルー / ソルティオリーブ / サンドピーチ |
サイズ(充電ケース) | 64mm × 40mm × 27mm |
重さ | イヤホン:約4.9g、ケース:約30g |
最速充電時間 | 10分間の充電で最長1時間再生可能 |
ノイズキャンセリング | なし |
ワイヤレス充電 | なし |
専用アプリ | あり |
詳しい商品レビューはこちらからどうぞ
価格(2025年9月時点) | ¥17,990 |
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カラーバリエーション | ミッドナイトブラック / ホワイト & ゴールド / ピンク & ブラウン |
サイズ(充電ケース) | 30mm × 63mm × 43mm |
重さ | イヤホン:約5.9g、ケース:約51.6g |
最速充電時間 | 10分間の充電で最長3時間再生可能 |
ノイズキャンセリング | なし |
ワイヤレス充電 | なし |
専用アプリ | あり |
価格(2025年9月時点) | ¥12,990 |
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カラーバリエーション | メタリックグレー / ローズゴールド / クリアブラック |
サイズ(充電ケース) | 29mm × 24mm × 18mm |
重さ | イヤホン:約5.8g、ケース:約51.6g |
最速充電時間 | 10分間の充電で最長2時間再生可能 |
ノイズキャンセリング | なし |
ワイヤレス充電 | なし |
専用アプリ | あり |
価格(2025年9月時点) | ¥39,600 |
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カラーバリエーション | ブラック / ホワイトスモーク / サンドストーン / ムーンストーンブルー / ルナブルー / ディーププラム / サンセット イリデッセンス |
サイズ(充電ケース) | 42mm × 65mm × 26mm |
重さ | イヤホン:約6.5g、ケース:約56.5g |
最速充電時間 | 10分間の充電で最長2時間再生可能 |
ノイズキャンセリング | なし |
ワイヤレス充電 | なし |
専用アプリ | あり |
価格(2025年9月時点) | ¥7,580 |
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カラーバリエーション | ブラック / ホワイト / ベージュ / パープル |
サイズ(充電ケース) | 31mm × 14mm × 29mm |
重さ | イヤホン:約5g、ケース:約47.3g |
最速充電時間 | 10分間の充電で最長2時間再生可能 |
ノイズキャンセリング | なし |
ワイヤレス充電 | なし |
専用アプリ | あり |
価格(2025年9月時点) | ¥7,990 |
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カラーバリエーション | シルバーグレー / ホワイト |
サイズ(充電ケース) | 66mm × 48.3mm × 28 mm |
重さ | イヤホン:約5.7g、ケース:約49.2g |
最速充電時間 | 10分間の充電で最長2.5時間再生可能 |
ノイズキャンセリング | なし |
ワイヤレス充電 | なし |
専用アプリ | あり |
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今回はイヤーカフ型イヤホンのおすすめプロダクトを比較紹介していきました。比較的新しい型ではありますが、ファッション性の高さにも注目されていることから人気が上がり続けているため、今後もメーカー各社が新製品を世の中に出てくる可能性があります。興味のある方は是非一度、手にとってみてください。