「Nothing Ear (3)」を徹底レビュー!:ロンドンを拠点とする気鋭のテクノロジー企業「Nothing」は、スケルトンデザインと直感的なユーザー体験で、ガジェット市場に新たな風を吹き込んできました。そのNothingが満を持して送り出すフラッグシップ完全ワイヤレスイヤホンが「Nothing Ear (3)」です。
一時期ナンバリングを廃止していましたが、本作で復活。単なる後継機に留まらない、「通話」というイヤホンの基本機能に革命を起こす意欲作となっています。
「Nothing Ear (3)」は、唯一無二の洗練されたデザインと、高いレベルでバランスの取れた音質・機能性を兼ね備えた、2025年最新のフラッグシップモデルです。特に通話品質を重視するユーザーや、ハイレゾ対応の高音質を手軽に楽しみたいユーザーにとって、非常に魅力的な選択肢となるでしょう。
製品名 | Nothing Ear (3) | Nothing Ear ※前モデル |
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価格(2025年9月時点) | ¥25,800 | ¥22,800 |
カラーバリエーション | ホワイト, ブラック | ホワイト, ブラック |
サイズ | イヤホン: 29.4×21.7×24.1 mm | イヤホン: 29.4×21.5×23.5 mm |
重さ | イヤホン: 4.62g | イヤホン: 4.62g |
ノイズキャンセリング | 最大45dB | 最大45dB |
対応コーデック | LDAC, LHDC, AAC, SBC | LDAC, LHDC, AAC, SBC |
再生可能時間 | 単体: 5.5時間 (ANCオン) | 単体: 5.2時間 (ANCオン) |
ドライバー | 12mm ダイナミック | 11mm セラミック |
充電時間 | 10分の充電で10時間再生(ANCオフ) | 10分の充電で10時間再生(ANCオフ) |
ワイヤレス充電 | ◯ | ◯ |
その他 | ケース搭載スーパーマイク, IP54 | ChatGPT連携, IP54 |
Nothingの象徴である半透明デザインを継承しつつ、Ear (3)は軸部分に金属素材を採用しました。この金属製のパーツは、見た目の高級感を高めるだけでなく、接続の安定性を大幅に向上させています。
また、充電ケースのベース部分にもリサイクルされた航空機グレードのアルミニウムを使用するなど、デザインへの強いこだわりと、耐久性・実用性の両立が見られます。
Ear (3)の最大の特徴は、充電ケースに内蔵された「スーパーマイク」です。充電ケースの側面にある「TALK」ボタンを押すことで、ケースが指向性の高いデュアルマイクとして機能し、周囲の雑音を最大95dBまでカットしながら、30cm以内の発話者の声をピンポイントで収音します。
これは、騒がしいカフェや交通量の多い場所でのオンライン会議や通話を劇的にクリアにするための画期的な機能です。録音した音声をテキスト化するEssential Spaceとの連携も可能で、単なるイヤホンケースを超えた「通話デバイス」としての価値を提供します。
12mmのダイナミックドライバーを採用し、LDACコーデックに対応することでハイレゾ相当の高音質再生が可能です。音質面では、歪み率を従来の0.6%から0.2%へと大幅に低減。中低音に厚みがありながら、高音域もクリアで刺さることがない、バランスの取れた自然なサウンドが魅力です。
専用アプリ「Nothing X」では、8バンドのイコライザーや聴力テストに基づくパーソナルサウンドプロファイル作成機能があり、ユーザーが音質を細かくカスタマイズできます。
スケルトンデザインの完成度が高まったと感じます。イヤホンのステム(軸)部分には、これまでの樹脂製に代わり金属製のパーツが採用されたことで、見た目の質感が大幅に向上し、高級感が増しました。
半透明のボディから覗く内部の電子部品は、Nothingならではの遊び心と技術力を感じさせます。充電ケースも、ベース部分にリサイクルされた航空機グレードのアルミニウムが使われており、手に取ったときの重厚感は所有欲を満たしてくれます。
イヤホン単体の重さは約4.8gと非常に軽量で、人間工学に基づいた形状設計のおかげで、耳へのフィット感はカナル型の中でもトップクラスです。数万におよぶ耳形状データをもとに設計されたというだけあり、耳の凹凸にすっぽり収まり、長時間使用しても圧迫感や痛みを感じにくいのが大きなメリットです。
イヤーチップのサイズが合っていれば、ランニングなどの軽い運動でも安定して装着でき、快適性が高いです。
操作は軸部分を「つまむ」(ピンチ操作)方式を採用しています。タッチ操作でありがちな誤作動が少なく、操作したことが物理的に感じられるため非常に正確で快適です。
一度押し、二度押し、長押し、そして音量調整のためのスライド(または二度押しと長押しを組み合わせた操作)などが可能で、専用アプリ「Nothing X」でこれらの操作を細かくカスタマイズできるため、自分の使いやすいように設定を追い込めます。
ケースは前モデルの意匠を継承しつつ、最大のトピックは側面に搭載された「TALK」ボタンと「スーパーマイク」です。
このスーパーマイクの使い方は非常にシンプルで効果的です。通話中にケースの側面にある「TALK」ボタンを押すだけで、高性能な指向性デュアルマイクが起動します。
ケースを口元から30cmほどの距離に近づけて話すことで、イヤホンのマイクだけを使う場合と比べ、周囲の雑音を最大95dBまで抑制し、話者の声だけをクリアに収音できます。
ケース自体は、フラッグシップモデルとしては標準的なサイズですが、アルミ素材の使用により剛性が高く、耐久性も安心できます。ワイヤレス充電に対応しており、10分で最長10時間分充電できる急速充電にも対応しているため、バッテリー切れの心配はほとんどありません。
12mmのダイナミックドライバーとLDAC対応により、ハイレゾ相当の高解像度なサウンドを提供します。
音の傾向はクリアでニュートラル、かつパワフルな低音域を両立したバランス型です。特に中音域のボーカルやギターの音に芯があり明瞭に聞こえます。低音はただ量が多いだけでなく、タイトでキレがあり楽曲に重厚感を与えます。歪み率が0.2%と非常に低いため、音量を上げても音の破綻が少なく、長時間聴いても聴き疲れしにくい自然なサウンドです。
アプリで利用できる「パーソナルサウンドプロファイル」機能で、簡易的な聴力テストを行い、個人の聴覚特性に合わせた最適化ができる点も、音質への満足度を高めてくれます。
洗練されたトランスペアレントデザインは、他のイヤホンにはない強い個性を持ちます。音質もハイレゾ対応でクリアかつバランスが良く、ファッションアイテムとしてもガジェットとしても妥協したくない人に最適です。
充電ケースの「スーパーマイク」は、これまでのワイヤレスイヤホンの通話品質を一変させます。ノイズの多い環境でもクリアな音声を届けたい、通話品質に妥協したくないビジネスユーザーに強くオススメします。
アプリでパーソナルサウンドプロファイルを作成したり、8バンドのイコライザーで音質を細かく調整したりできる自由度の高さが魅力です。自分好みの音を追求したいオーディオファンにも満足度の高い一台です。
「Nothing Ear (3)」は、デザインへの徹底したこだわりと、革新的な機能「スーパーマイク」によって、フラッグシップイヤホンの新たなスタンダードを打ち立てました。高音質と快適な装着感に加え、「通話」というワイヤレスイヤホンの新たな価値を提案する本機は、あなたのデジタルライフをより豊かに、よりスタイリッシュにしてくれるでしょう。
「Nothing Ear (3)」で、「聴く」「話す」も次のレベルへ進化させてみませんか。
非常に実用的で、Ear (3)の最大の差別化ポイントです。
騒がしい駅のホームや風の強い屋外で試しましたが、通話相手からは驚くほどクリアな声が聞こえると好評でした。
ケースを口元に近づけるという一手間はありますが、通話品質を最優先したいビジネスシーンや、旅行先からの通話など、「確実に声を届けたい」場面で絶大な安心感があります。
最大45dBのアダプティブANCは、非常に強力です。
特に、電車やバス、飛行機のエンジン音といった低周波ノイズに対しては、トップクラスの遮断能力を発揮します。
カフェやオフィスでの環境音(話し声など)といった高周波ノイズのカットは、SONYやAppleといった競合の最上位機種には一歩譲る場面もありますが、全体としては日常使いにおいて十分すぎるほどの静寂を提供してくれます。
外音取り込みモードも自然で、会話や周囲の安全確認に問題なく使用できます。
いいえ、そんなことはありません。
「Nothing Ear (3)」はイヤホンとしての基本性能(音質、ANC、バッテリー)が非常に高く、AndroidでもiPhoneでもLDACや高音質イコライザーなどの恩恵を十分に受けられます。スーパーマイクも「通話品質向上」という純粋なメリットがあります。
ただし、ChatGPT連携のスムーズな利用など、一部の先進機能はNothing Phoneユーザーの特権となります。