TOP> GTRACINGはAKRacingのパクリって本当?製品の歴史を調べてみた
ゲーミングチェア業界で人気を二分するGTRACINGとAKRacingの製品は、あの特徴的なバケットシートのようなそっくりなデザインであることから、しばしば「パクリ」だと言われています。確かに一見するとかなり酷似しており、そう決め付けられても無理はありません。
本記事では、GTRACINGとAKRacingの製品や歴史を調査し、どちらかがどちらかのパクリなのかという問いに対しての回答を出していきます。
両ブランドの製品の経緯を詳しく追ってみると、そう単純な「パクリ」関係ではないという事実が浮かび上がってきます。まずAKRacingの方が創業は古く、2003年に中国の江蘇で設立された、ゲーミング家具の老舗メーカーです。
それに対してGTRACINGは、2011年に後発で参入してきた新興ブランドで、時期的にもAKRacingの後塵を拝する形となりました。この事実関係を見れば、GTRACINGがAKRacingの製品をパクったのでは?と疑われても不思議はありません。
以下にGTRACINGとAKRacingの違いを簡単にまとめてみます。
GTRACING | AKRacing | |
---|---|---|
運営会社 | 武狄实业(上海)有限公司 | 揚州奥凱カー用品有限公司 |
本社 | 中国 | 中国 |
製品ラインナップ | ゲーミングチェア | ゲーミングチェア |
創業 | 2011年 | 2000年 |
しかし、両ブランドの製品デザインの系統を紐解いてみると、実は共に第三のブランドから強い影響を受けていた可能性が浮かび上がってきます。
それが、ゲーミングチェアの業界で先駆けとされる「DXRACER」です。DXRACERは2001年に設立されたアメリカ合衆国・ミシガン州に本社を置くゲーミングチェアを扱う企業で、当時から現在に至るまでゲーミングチェアのスタンダードともいえる、立体的でバケットシート形状を特徴とするデザインを展開してきました。
そして2003年にAKRacingが設立された時点では、まだDXRACERの製品は世界的に広く知られていなかったと考えられます。そのためAKRacingは独自のデザインを主張できた可能性が高いのです。
ところが数年後、DXRACERの製品が大ヒットし始めると、そのデザインがゲーミングチェア業界のスタンダードになりつつありました。新規参入メーカーはDXRACERに範を求め、似たようなデザインの製品を投入するようになっていったのです。
そうした業界の潮流に乗ったのが、2014年に設立されたGTRACINGだと考えられています。つまり、GTRACINGとAKRacingは、それぞれ別の時期にではありますが、デザインの先駆者であるDXRACERの影響を強く受けていたというわけです。だからこそ、両者の製品デザインが似通っているということになります。
ゲーミングチェアのパイオニアとなったDXRACERですが、実は日本においては後発のAKRacingやGTRACINGに先を越されているのかもしれません。Google Trendsで過去5年の検索ボリュームを確認すると、AKRacing > GTRACING > DXRACERの順になっています。
しかしながら、これを世界で見てみるとDXRACERがほか2ブランドを突き放して最も関心度があるブランドという結果になりました。
やはり、世界で一番最初にゲーミングチェアというものを生み出したブランドが世界でもシェアを持っているようです。
既述の通り、GTRACINGもAKRacingも同じDXRACERというゲーミングチェアのパイオニアに影響を受けているということが判明しました。
これをパクリと言ってしまうのは容易いですが、見た目の類似点はあれど、各社の製品にはさまざまな違いもあります。座面の広さ、背もたれの高さ、重量、耐荷重、機能性、価格設定など長所短所があり、ユーザーのニーズに合わせて選ぶ必要があります。
例えば、GTRACINGは、そのコストパフォーマンスの良さから後発ブランドにも関わらず現在ではゲーマーではない一般的なオフィスワーカーから一定の支持を得ています。
ゲーミングチェアの購入を検討されている方は、表面的なデザインだけでブランドを判断するのではなく、各ブランド・製品の細かな違いに注目して自分にあったゲーミングチェアを選んでいくと良さそうです。