TOP> Aqaraレビュー|SwitchBotと何が違う?中級者に選ばれる理由を検証
スマートホームに興味を持つ多くの人は、まずSwitchBotを思い浮かべるかもしれません。一方で、Aqara(アカラ)はXiaomiのエコシステム発祥のブランドとして、ハブを中心に各種センサーや家電を連携させる製品群を展開しています。
本記事では、Aqaraの成り立ちや基本的な製品ラインナップを整理し、特に「Aqara Hub M2(スマートリモコン兼ハブ)」と「Aqara Camera Hub G3(監視カメラ兼ハブ)」の2製品について、仕様と実際の使用感を客観的にレビューします。
Aqara(アカラ)は2016年、中国・深センでXiaomiのMijia(米家)エコシステムの一部として誕生しました。2019年ごろから独立ブランドとしてグローバル展開を開始し、日本や欧米市場にも正式に参入。Xiaomiグループの品質管理体制とコスト効率を受け継ぎつつ、IoTプラットフォームの中核を担う製品群を拡充しています。
Aqaraの製品は、家の中でまるでリレーメッセージをつなぐようにデータを届ける仕組みを採用しています。具体的には、玄関の開閉センサーがドアの状態を検知すると、その情報を近くのセンサーへ渡し、最終的にリビングに置かれたハブまで順番に届けます。
そのため、ハブから離れた場所でも電波が途切れにくく、広い家全体を安定してカバーすることが可能です。この仕組みは「メッシュネットワーク」と呼ばれ、追加のハブを多く増やさずとも効率的に通信範囲を広げられる点が特徴です。
ポイント | Aqara | SwitchBot |
---|---|---|
主な用途 | センサー網とハブ拡張による自動化 | 赤外線リモコン&物理スイッチ押し |
通信方式 | Zigbeeメッシュ | Bluetooth Mesh / Wi-Fi |
拡張性 | 複数ハブで数百台管理可能 | Hubsを追加すると可 |
アプリ自動化機能 | シーン・条件分岐の自由度が高い | デバイス操作に特化 |
価格帯目安 | センサー1,500〜3,000円 | デバイス3,000〜4,500円 |
簡単に言うと、Aqaraは家中に設置したセンサー同士が協力して信号を中継し、少ないHubで広い範囲を安定してカバーできます。一方、SwitchBotは個別の家電操作に特化しており、シンプルに赤外線リモコン機能や物理ボタンの自動化を行いたい場合に向いています。
言い換えると、SwitchBotでは家電を広範囲で操作するにはHubを複数台購入する必要がありますが、AqaraはHub一台を中心に必要なセンサーを追加していくイメージになります。
以下は2025年5月時点の主要カテゴリ別ラインナップと特徴の一覧です。
カテゴリ | 主な製品例 | 特徴 |
---|---|---|
ハブ | Hub M2 / Camera Hub G3 | Zigbee 3.0対応・Matterゲートウェイ |
センサー | 開閉センサー / 人感センサー / 温湿度センサー | ボタン電池で2年以上駆動 |
アクチュエータ | スマートプラグ / カーテンE1 | 省エネ・静音駆動 |
セキュリティ | Door Lock U100 / 警報サイレン | HomeKey対応モデルあり |
カメラ | Camera Hub G2H Pro / E1 | カメラ兼用ハブモデル |
照明 | スマートライト / LEDストリップ | 調光・調色・スケジュール機能 |
SwitchBotほどではないですが、スマートホームにおけるキー製品を揃えており、ハブやセンサーだけでなく照明やセキュリティ機器まで幅広く取り扱っています。
今回は、この中でも、ハブの「Aqara Hub M2」とカメラの「Aqara Camera Hub G5 Pro」の貸出品をいただけたので、レビューしていきたいと思います。
スマートリモコンの代表製品であるSwitchBotのハブ2とかんたんに比較してみました。
項目 | Aqara Hub M2 | SwitchBot ハブ2 |
---|---|---|
参考価格 | 約 ¥8,980 | 約 ¥9,980 |
カラー | ブラック | ホワイト |
サイズ | 100.5 × 30.75 mm(直径 × 高さ) | 約 80 × 70 × 23 mm |
重量 | 約 130 g | 約 63 g |
入力電源 | Micro-USB 5V / 1A – 2A | USB-C 5V / 1A |
ポート | RJ-45(有線LAN)、USB-A、Micro-USB(給電) | USB-C(給電)、温湿度センサー内蔵ケーブル |
無線通信規格 | Wi-Fi 2.4GHz、Zigbee 3.0、BLE 5.0 | Wi-Fi 2.4GHz、Bluetooth、Matter |
動作環境 | 温度 5 – 50 ℃、湿度 0 – 95 % RH(結露なし) | 温度 -10 – 60 ℃、湿度 10 – 90 % RH(結露なし) |
また対応している音声アシスタントにも違いがみられます。
項目 | Aqara Hub M2 | SwitchBot ハブ2 |
---|---|---|
Amazon Alexa | ✅ 対応 | ✅ 対応 |
Google Assistant | ✅ 対応 | ✅ 対応 |
Apple Siri | ✅ HomeKit正式対応(Homeアプリ操作可能) | ⚠️ Siriショートカットのみ(HomeKit非対応) |
HomeKit Secure Video | ✅ 対応(※G3/G5などカメラのみ) | ❌ 非対応 |
Matter(音声連携) | ✅ 対応 | ✅ 対応(一部デバイス) |
ここからは実際に製品を使ってみた感想です。
まず見た目に関してですが、円形のデバイスになっており、類似商品のSwitchBot ハブ2とそこまで変わらないくらいの大きさだと思います。
SwitchBot ハブ2・ハブミニはカラバリがホワイトしか提供されていないため、部屋のインテリア的にブラックがマッチする人には嬉しいデザインかもしれません。
部屋の家電を記憶させるセットアップの部分ですが、SwitchBot製品に慣れている方だと少し違和感を感じる場合があるかもしれません。
というのも、SwitchBotをはじめとするスマートリモコンのセットアップ時は、デバイスに対してリモコンの記憶させるという形なのですが、Aqara Hub M2の場合は以下のようなステップでセットアップをします。(エアコンの例)
この「実際にエアコンが反応するか確認」の作業が結構めんどくさく、反応しない → 次のプリセットを試す、というのを何度も繰り返す必要があります。
しかしこの作業はあくまでセットアップ時だけの作業なので、以降はスムーズにアプリから家電操作をしたり、オンオフの自動化ができます。
使ってみた感想としては、初心者向けのスマートリモコンというよりは、一度SwitchBotなどのスマートリモコンを経験した、中級者向けのアイテムだと感じました。
同じ価格帯のセキュリティカメラである「Anker Eufy SoloCam S340」と比較しています。
項目 | Aqara Camera Hub G5 Pro (Wi-Fi) | Anker Eufy SoloCam S340 |
---|---|---|
参考価格 | ¥28,380 | ¥24,990 |
解像度 | 4MP(2688×1520) | 広角レンズ:3K(2880×1620)、望遠レンズ:2K(2304×1296) |
視野角 | 対角133° | 対角135° |
ナイトビジョン | True Color Night Vision(f/1.0レンズ、スポットライト内蔵) | カラー夜間撮影対応(f/1.6レンズ、スポットライト内蔵) |
AI検知機能 | 顔認識、人物、車両、動物、荷物、滞留、レンズ遮蔽、赤ちゃんの泣き声、アラーム音など | 人物、車両、動物の検知(HomeBase S380接続時に顔認識対応) |
音声通話 | 双方向通話対応 | 双方向通話対応 |
電源方式 | USB-C(5V/2A) | 内蔵バッテリー(約3ヶ月稼働)、ソーラーパネル(2.2W)対応 |
防水・防塵性能 | IP65 | IP67 |
動作温度範囲 | -30℃〜50℃ | -20℃〜50℃ |
ストレージ | 内蔵eMMC(8GBまたは32GB)、NAS対応、RTSP対応、Aqara Cloud(30日間無料トライアル)、Apple iCloud(HomeKit Secure Video)対応 | 内蔵eMMC(8GB)、クラウドストレージなし、HomeBase S380接続時に拡張可能 |
スマートホーム連携 | Apple HomeKit Secure Video、Amazon Alexa、Google Assistant、Matter、Zigbee、Thread、RTSP、NAS対応 | Amazon Alexa、Google Assistant、Eufy Securityアプリ、HomeBase S380接続時に顔認識や拡張機能対応 |
ハブ機能 | ZigbeeおよびThreadハブ機能内蔵、Matterブリッジ機能あり | なし |
サイズ・重量 | 約70.5 × 70.5 × 89 mm、377g | 約96.5 × 81 × 57.5 mm、約320 g |
ここからは実際に製品を使ってみた感想です。
本体に関してですが、マットな質感で、3万円近くのハイエンドなセキュリティカメラだけあって、安っぽさは全くないです。野外にも設置できるカメラですが、これだけ高級感があると野外に設置するのをためらうくらいです。
こちらの製品もAqaraアプリを使ってセットアップを進めます。
スマホアプリからデバイスを検知し、あっという間にスマホでカメラの撮影映像を見える画面まで進めることができました。開始から完了まで大体3分くらいでした。
諸々のAI検知機能のON/OFFや録画、画像撮影、フラッシュなどは全てスマホアプリから操作できます。
試しに部屋の映像を映していたのですが、ナイトビジョンは、暗闇でもはっきりと物体が確認できるほど高精細でした。部屋の照明を全て落として撮影してみたのですが、ほぼ認識できない物体がないレベルで鮮明に撮影されていました。
これだけでも十分なのですが、カメラにはかなり明るめなスポットライトも内蔵されているため、暗くてうまく撮影できないという心配は無用だと思います。
ハイエンドモデルだけあって、セキュリティカメラに求められる機能は当たり前についていることに加え、クラウドに依存せずともAI処理で顔認識や泣き声検知などができるポイントはさすがだと思いました。
SwitchBotと比べると、Aqaraはややセットアップのハードルが高めですが、その分、一度環境を整えてしまえば、安定したメッシュネットワークと高い拡張性で家全体のスマート化が実現できます。
「Aqara Hub M2」は、HomeKit対応の赤外線リモコン兼ハブとして、Appleユーザーにとって特に魅力的な選択肢ですし、「Aqara Camera Hub G5 Pro」は、防犯と見守りを両立できる高性能なカメラ兼ハブとして、安心感を求める方に適しています。
シンプル操作で家電を自動化したいならSwitchBot、本格的なスマートホーム環境を構築したいならAqaraという住み分けがしっくりきます。
ぜひ、ご自宅の用途やスマートホームへのこだわりレベルに応じて、最適な製品選びの参考にしてみてください。
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