
SwitchBot ハブ2をレビュー: スマートホーム製品で人気のSwitchBotから登場した「SwitchBot ハブ2」は、従来のスマートリモコンの枠を超えた、温湿度計、Matterゲートウェイ、そして物理操作ボタンを統合した多機能ハブです。
いつもの家電をスマート化するSwitchBotエコシステムの中心として、初代「ハブ ミニ」から大幅に進化。高精度な環境センシングと次世代規格への対応により、あなたのスマートホームを次のレベルへ引き上げます。本記事では、この多機能な「SwitchBot ハブ2」のメリット、デメリット、そして実際の使い勝手を徹底検証します。
「SwitchBot ハブ2」は、従来のスマートリモコンとしての機能に加え、高精度な温湿度計と物理的な操作ボタン、そして次世代のスマートホーム規格「Matter」に対応した、まさにスマートホームの”司令塔”として完成度の高い製品です。
価格(2024年9月時点) | ¥9,980 |
|---|---|
本体サイズ | 80 × 70 × 23mm |
本体重量 | 63g |
材質 | ABS |
赤外線送信最大範囲 | 30m |
動作温度 | -20℃ ~ 40℃ |
温度測定範囲 | -20℃ ~ 80℃ |
湿度測定範囲 | 0~99%RH |
エアコン設定同期 | ○ |
接続切断時の操作 | ○ |
Matter規格 | ○ |
AIアシスタント対応 | Alexa, Google Assistant, Homekit, Siri Shortcuts, Smartthings |
「SwitchBot ハブ2」は、従来のスマートリモコン製品とは一線を画し、高精度な温湿度センサーを本体に内蔵しています。このセンサーは、他のSwitchBot温湿度計でも使用されているものと同等で、信頼性が非常に高いのが特徴です。
その測定値は、本体正面に配置された大型のセグメントディスプレイにリアルタイムで表示されます。このディスプレイは周囲の明るさに応じて輝度が自動調整されるため、夜間にまぶしすぎることもなく、常に快適に視認できます。スマホでアプリを開かなくても、部屋の環境を一目で確認でき、日常生活に溶け込むインターフェースを実現しています。

これが「SwitchBot ハブ2」の最も革新的で、将来性を担保する機能です。Matter規格は、Apple、Google、Amazonなど、これまで別々に動いていたスマートホームエコシステムを統合し、デバイス間の互換性と安定性を高めることを目的としています。
「SwitchBot ハブ2」は、SwitchBotのBluetoothデバイス(ボットやカーテンなど)をMatter対応のホームコントローラーに連携させるゲートウェイ(橋渡し)として機能します。これにより、例えばApple Homeアプリから、SwitchBotのカーテンを直接、安定して操作するといったことが可能になり、ユーザーのプラットフォーム選択の自由度が飛躍的に向上しました。

スマートリモコンの核となる赤外線機能も大幅に進化しました。単に赤外線を送信するだけでなく、エアコンの「設定同期」機能が加わったのが非常に強力です。ユーザーがエアコン付属のリモコンで直接操作を行った場合でも、その変更内容(温度やモードなど)を「SwitchBot ハブ2」が自動的に検知し、アプリ内の状態を同期するというものです。
「アプリで設定した状態と、リモコンで変更した現在の状態がズレてしまう」というスマートリモコンにありがちな最大の課題が解消され、家族間での操作が混在してもストレスなく運用できるようになりました。
本体上部には、物理的なスイッチではなく、指で軽く触れるだけで反応する2つのタッチセンサー式ボタンが搭載されています。このボタンには、「シーン(複数の動作をまとめて実行する設定)」の実行や、特定デバイスのON/OFFといったアクションを自由に割り当てることができます。
例えば「おはようシーン(カーテンを開け、照明をON)」、「おやすみシーン(全てOFF)」とそれぞれのタッチ操作ボタンを設定すれば、スマホや声を使わずに、指先一つで家の状態を一括管理できます。これは特に急いでいる時や、声を出しにくい環境で非常に役立ちます。
主要なAIアシスタント(Alexa, Google Assistant, Homekit, Siri Shortcuts, Smartthings)に幅広く対応しているため、ユーザーが利用しているどのスマートスピーカーからも声で家電を操作できます。
また、赤外線データベースは非常に豊富で、国内外の多くのメーカーのテレビ、エアコン、照明などに対応しています。手動でのリモコン学習機能も充実しているため、スマート化できる家電の範囲が非常に広く、家中のリモコンを集約することが可能です。

デザインは白を基調としたシンプルかつモダンな設計で、「ハブ ミニ」の目立たなさを追求したデザインとは対照的に、堂々とインテリアの一部として成立しています。
前面の大型ディスプレイは数字が大きく見やすい一方で、奥行きを感じさせない薄型設計(23mm)で圧迫感がありません。
付属のケーブルは約2メートルと長く、設置場所の自由度が高いのも好印象でした。付属のスタンドを使って机に置くか、背面の強力な両面テープを使って壁に固定するかを選べますが、温湿度を正確に測定するためにも、直射日光の当たらない、空気が循環しやすい場所に設置するのがベストでしょう。


SwitchBotアプリは、洗練されており、初期設定からデバイスの登録、そしてスマートホーム運用の肝となるシーン(自動化)の作成まで非常にスムーズです。特に赤外線リモコンの学習プロセスは迅速かつ正確で、ほぼすべての家電を数分で登録できました。
本体のタッチボタンの感度は良好で、軽く触れるだけで確実に反応します。誤操作を防ぐために「長押し」でアクションを設定することも可能です。これにより、帰宅時など、スマホを取り出すのが面倒な場面でも、物理的な安心感とともにスマートホームの恩恵を受けられます。



実際に使用してみて、内蔵温湿度計の数値の追従性の良さに驚きました。エアコンや加湿器の自動化を設定する際、センサーの信頼性は命綱ですが、「SwitchBot ハブ2」は非常に安定しており、信頼できるトリガーとして機能しました。
例えば、「湿度が40%以下になったら加湿器をON」というシーンを設定したところ、ほぼリアルタイムで加湿器が動作し、室内の快適性が向上しました。これにより、これまで別々に購入していたスマートリモコンと温湿度計を一台に集約できたことが、配線や設置場所の面でも大きなメリットとなりました。
物理ボタン(タッチボタン)のおかげで、スマホ操作に慣れていない家族や高齢の方でも、「ボタンを押すだけ」で複雑なシーンを実行できます。Matter対応による連携の安定性も、トラブルを減らし、家族全員の使いやすさに貢献します。
内蔵された高精度な温湿度計により、「温度・湿度」をトリガーにした自動化が非常に正確に作動します。夏のエアコン制御や冬の加湿器制御など、環境を快適に保つ自動化を高い信頼性で実現したいユーザーに最適です。
次世代規格「Matter」にいち早く対応しているため、今後増えていくMatter対応デバイスとの連携をスムーズに行えます。プラットフォームに縛られず、様々な製品でスマートホームを統一したいと考える人にとって、将来的な投資として価値の高い製品です。
「SwitchBot ハブ2」は、単なるスマートリモコンの進化形ではありません。高精度な温湿度計、使いやすい物理操作ボタン、そして次世代を担うMatter規格への対応により、スマートホームの中核デバイスとしてふさわしい機能と安定性を獲得しました。
約1万円という価格は「ハブ ミニ」より高価ですが、「温湿度計+スマートリモコン+Matterハブ」としての機能を一台に集約し、日々の生活を劇的に快適にする価値を提供してくれるでしょう。スマートホームを次のレベルに引き上げたいすべての人に、強くおすすめできる製品です。
スマートホームはApple、Google、Amazonなど各社が独自のエコシステムを持っています。Matterはそれらを統合する規格です。「SwitchBot ハブ2」がMatterに対応することで、例えば「SwitchBotのデバイスを、Apple Homeアプリから直接、安定して操作できる」ようになり、異なるメーカー製品間の連携がよりシームレスに、かつ安定します。
単にスマートリモコンとして使えれば良いなら「SwitchBot ハブミニ」で十分です。しかし、高精度な温湿度による自動化、Matterによる将来性、物理ボタンによる家族の使いやすさを求めるなら、「SwitchBot ハブミニ」に追加で温湿度計などを買うより、「SwitchBot ハブ2」に買い替える方がスマートで快適です。
赤外線の出力が強力で、広いリビングでも端にあるテレビやエアコンまでしっかりと信号が届きます。もちろん、間に障害物があると届きにくくなりますが、多くの家庭のリビングルームであれば、設置場所にあまり神経質にならなくても大丈夫でしょう。